嘘つきな彼女Ⅱ


そんなある日のこと。



寒くて制服のカーディガンを指先まで引っ張ると、それを見た淳が私の手を掴んだ。



「寒い?」


「うん」



ぎゅっと手を握られたことを不思議に思いながら、淳を見る。



もうしばらく、お互いに触れることすらしていなかったから。



淳なりに、私が纏う暗い空気を感じていたんだと思う。