靴箱が隣……てことは同じクラスだよね。
筋の通った高い鼻にクリッとした大きな瞳。
そこまで飾っていない薄い茶色の髪の毛。
それに、細い腕と白い肌……。
あんな一瞬しか見てないのに、何でこんな細かいところまで覚えてるのか不思議だけど。
あんな人クラスにいたっけ。
あれだけ綺麗な顔してるんだったら、目に入っててもおかしくないと思うのに。
「花菜おはよ!」
教室まで行くと、一緒に行動するようになったうちの1人の本田沙織が話しかけてきた。
その後に他の女子もあたしに挨拶していく。
あたしが明るい性格だからか、わりと簡単に友達が出来た。
よかったなあって思う。
「席につけー」
先生の声がかかり、みんなが席に着き始める。
あたしの席は廊下から2番目で後ろからも2番目。
そういえば、靴箱で会った人いないかな……。
ちょっと気になって辺りを見回してみるけど、その人らしき人はいない。
なんでだろ。

