air






「ちょっと見せてよ」




その言葉と同時に、あたしの左の手が児玉くんの手に包まれた。

反射的にそこを見れば、児玉くんはあたしの手ごと持って風船の模様を見ている。


ドキドキもなにも、恥ずかしさがの方が強くて。

思わず手を離そうとしてしまったけど、案外強く包まれていた児玉くんの手に遮られた。


沙織をチラッと見れば驚いた顔をしていて、フジを見ればただジッと触れ合っている2つの手を見ていた。




「なんか普通だねー」




児玉くんはそんなことを呑気に言いながらあたしの目を見つめる。


なんでこんなことできるの?


まるで動くのを忘れていた心臓がその分を取り返すかのように早く脈を打つ。



ちなに見られたらやばい、そう思う気持ちと自分の気持ちが複雑に絡み合う。


手を払い除けようとする気持ちはあるものの、行動にまでは移せない理由は。



児玉くんが好きだから。