「ねえー、これでいいのー?」
そう呼び掛ける声が聞こえてきて振り向けば、中くらいの箱をもった藤木くんと児玉くん。
その箱に入っている物が目的としていた物だと確認すると、真帆は"風船探すのも手伝って?"と2人に頼む。
そして2人が了解を得たのを見て真帆はちなに意味ありげな笑顔を向けた。
「そういえば、2人のこと何て呼んだらいい?」
そんなわざとらしいちなの問いかけにイラッとくるあたし。
そういえば、じゃないよね完全に。
"俺のことはフジって呼んで"とか"郁でいいよ"とか、そんなのが聞こえる。
藤木くんは元々女子とは結構話すタイプだったから何となくこうやって仲良くなるんだろうなって分かってたけど、児玉くんも話しかけられれば普通に話すんだって。
だからあの時、女子に下の名前で呼ばれても普通だったんだ。
案外女子に慣れてんじゃん。

