air






「……」




明らかに右から転がってきたよね?



ゆっくりと右隣を見てみると、児玉くんとぱっちり目が合った。

児玉くんは申し訳なさそうな顔をしながらちょこんと頭を下げると、あたしの目の前にある消しゴムをとって自分の前に置く。



うわあ、なんか今ペコってされちゃった!


チラッと児玉くんの方を盗み見ると、消しゴムを指で弾いて遊んでいる児玉くん。


か、可愛すぎる。

いつもうるさい男子と一緒にいて、その中でも静かに笑っている児玉くんからは想像出来ない……!

あんな大人しそうなキャラなのに、机に肘付きながら消しゴムで遊んでるよ。



これがギャップか!




もう、どうしよう。

児玉くんが頭から離れません。


あの出会った日からずっと。





ああ、あたしきっと。

児玉くんのこと、好きになっちゃいました。