「あ、暇だからみんなのプロフィールってやつ見よう!」
真帆はそう言うと、教卓の横にかかっているみんなのプロフィールという冊子を持ってきて、あたしの机の上に広げた。
みんなのプロフィールというのはその名の通り、みんなの名前と誕生日や出身中学校、顔写真、席順に血液型が載っている冊子。
入学してすぐに書かされたものだ。
未だにクラスの3分の2は覚えてないあたしにとってはいい機会。
「あ、ちなだあー」
「んやあ、きもいからやめてっ」
沙織がもう一度ちなの顔写真を指差すと、ちなが"もうっ"とちょっと怒ったフリをする。
ちな、可愛いと思うんだけどな。
「大体女子は覚えたから、次は男子の見よー」
あたし以外の3人はゆっくりと1人ずつプロフィールを見ている。
もう、いいから。
早く次にいきたい。
あたしはあの人の名前が知りたいんだ。

