目を閉じると、思い出す幼い頃の記憶。


「いやです!母上!やめてください!」

「だめよ!だめなのよ!あなただけがこの束縛から逃れるなんて!そんなのは御祖母様が許さない!私が許さない!」


涙で歪む視界。
その中でもはっきりとわかるのは、母の苦しげな顔。


「あなただけが運命から逃れるなんて、許さない!!!!!!!!!!」


「いやぁぁぁああああ!!!!!!」



わからなかった。
母がなんで私にこんなことをしているのか。
「運命」とはなんのことなのか。優しかった母が、病に倒れてから変わってしまったことが。



母が死んで、私は全て知ることになる。


私が守る、呪われた城の秘密を…―――