その日は、狂い咲きの桜が艶やかに、そして儚く散っていた。



はらりはらりと舞う桜の下で、その桜さえも霞んで見えるほど綺麗な顔をした鬼が、不適な笑みを浮かべて言葉を発する。




「―――俺と…契約しろ―――」




この鬼と契約すれば、私の心は救われるのだろうか……




美しく残酷な鬼との、魂を賭けた契約で……