「ーーーーーっ!?」
雷なんかよりももっとずっと凄い恐怖に息が止まった。
………こっち見てる
目が………、目合ってるよ、目
違うよ、そんなことよりもっと重大な何かを忘れてる。そうだよ、光ってるよ。ぼわーって、ぼわー………って、
焦ってた思考が落ち着いてきたのは多分、私の瞳を捕らえて離さないその瞳が、なんだかとても寂しそうに揺れていたからかもしれない。
「えっ……と、」
「落ち着いた?」
「あー……ええ、はい」
喋った。
その声はとても静かで、どこか冷たくて
「………っ」
なんだか少し、怖かった。
神社の中は案外広くて、部屋の真ん中に黙って座る彼を気にしないように、濡れた髪をタオルで挟んで叩き込む。
叩く度に鳴るパン、パン、という乾いた音は、神社を叩き付ける雨のパラパラと激しい雨音と、どんどん大きくなってきてる気がする雷の音に見事にかき消されて何も聞こえない。
何だか分からないが光ってる男は喋ったんだから、幽霊とかそうゆう類のものではなくて、ただの光ってる男だ、人間の筈だ。てゆうか、人間じゃなかったら困る、呪われる?え、だから、人間なんだって、足、あるし。
雷に意識が向かない様に必死に考えを繋げていくけど、どうしても隙間から入る光と轟音が聞こえる度に身体が小さく震える。