家に帰ると千鶴が慌ただしかった。


どこか出掛けるのか…?



「ねぇ、千鶴。今、時間ある?」

「あるように見えんのか?」

「……見えませんね。どこ行くの?」

「新曲のプロモ撮りに行く」

「今から!?」

「うん。で、俺になんか用?」

「家からの移動ってマネージャーの車ですんの?」

「そうだけど」

「じゃあ私もついていく。そして車の中で話すわ」



嫌さそうな顔をしている千鶴を無視して迎えにきた車に乗り込んだ。