近くに居るのに。




電話が切れてからまもなく廊下からドタバタな足音が聞こえた。



―バタン!


「ひより!」

「かれん!本当に来たの!?」


かれんは大きなボストンバッグを抱えて頭をボサボサにしてやってきた。



「ひより…」


かれんはボストンバッグをその場に降ろしてうちを抱きしめた。



「嫌よ…」

「かれん?」

「死ぬなんて嫌よ…私が許さないから…」

「…かれん」


かれんの方からすすり泣く音が聞こえた。