母親と父親が走って飛んできた。
「どうかどうかうちの子に肝臓をください
お願いします。」
泣きながら懇願した。
いじめた子は私と目をあわさず
震えていた。
「わかりました。ただし条件があります。
聞いていただけますか?」
「はい!何でも聞きます。どうかお願いします。」
私は冷静を装って言った。
「そこにいる姉を殺してください。」
両親はわけがわからなかった。
「・・?なぜでしょうか?」
それを聞いたとたん姉が大声で泣き始めた。
「私が、いじめていたの。それで彼女は自殺をしようとしたんだと思う
だから、だからお母さん私を殺して!そうしたら妹が助かるんだよ!」
母親はへなへなと床に崩れ落ちた。
姉は堰を切ったように話し始めた。
「一人はいやなの、もうこれで終わると思ったのに・・・
妹のことで大変だから、今まで我慢してきた。それでも私のことを愛して
欲しかったから、勉強もスポーツもがんばってきた。認めて欲しかった。
ほめて欲しかった。」
でも聞いてしまった。父と母が話していたのを・・・。
「何で同じ姉妹なのに移植ができないの・・姉はあんなに元気で
妹にないすべてを持っているのに。何でなの・・・」
どんなに我慢してもどんなに努力しても認めてくれない・・・
私は愛されることはないんだって。妹を助けることのできない私は
だめな姉なんだって・・・