まだ寝ぼけている体で 階段を下りる。 「…おはよ」 静まり返っているリビングは ただ虚しさを感じさせるだけだった。 夜の仕事をしている母は ほとんど家にいない。 1ヶ月に1回帰ればいいほうだろう。 そんな日常にも慣れてしまった私は 家族の温かさなんて知らない。 ご飯は1人で食べるのが 当たり前だし…。