ベッドに添えられている左手には、やっぱり綺麗な指輪がはめられていた。
ズキンと痛む胸。
「……莉緒、なんでまた泣きそうなの……?」
「……何でも……ない」
「……キス、イヤだった?」
ただ首を横に振った。
「じゃあ、まだテストのこと気にしてるのか……?」
違う……
違うよ……
テストも最悪だけど、好きな人の手に指輪がはまってるのは、もっとショックなんだよ……?
あたしは……
あたしは………
「皐……」
「ん?」
「あたし、皐のこと……」
――ガラッ
「汐田、調子は……あれ?八神も来てたのか。」
「あぁ、まぁ―…、じゃあ僕は教室に帰ります……」
それだけ言って、皐は保健室を出ていった。


