〜*皐Side*〜
『絶対行かないから――っ!!』
ドアを閉めた図書室から、叫び声が聞こえる。
はぁ―…、何言ってんだよ……俺。
デートに誘うって……
「さすがにヤバいよな―…」
「何がヤバいんだよ?」
えっ!!?
「ナガレ!お前いつからそこに!?」
「ん?皐が図書室出てきたあたりから。」
ほとんどじゃねぇかよ。
「図書室で何してたわけ?」
――ドキッ
「ちょっと調べ物をな。」
必死に冷静を装ってそう言った。
「ふぅ―ん。てっきり浮気でもしてるのかと思ってたよ。」
――ドキィ!
「バカ。そんなわけないだろ。」
“浮気”
そう言われればそうなのかも知れない。
「いくら周りが知らないからって、あんまりお痛しちゃダメだよ。」
「……あぁ。」
分かってる。
明日が最初で最後だ。