意地になりすぎて、声を上げてしまった。
「ふぅ―ん」
――ゾクッ
ニヤリと笑った皐を見て、背中に悪寒が走った。
「じゃあさお礼、しないといけないよな?」
「そ、そうなりますかね……?」
笑顔がヒキつる。
「明日、駅前10時な」
「……は?」
「デート、しよっか?」
「な、な、なっ!!」
「日本語喋れよ。」
パニックになるあたしに対して、冷静な表情を向ける。
「タバコはその時に返せよな」
「なっ!行かないからねっ!!」
「じゃあ俺、授業に戻るから」
「は!?」
「じゃあな」
「ちょっ、ちょっと―っ!!」
パタンと閉まったドア。
っ!!
「絶対行かないから――っ!!」