今の声って……
そっと、声の方を覗き込んだ。
「なんでっ!私っ、南先輩のことが好きなんですっ!!」
「沙穂っ、落ち着けって……」
言い争ってるのは、やっぱり南先輩と彼女。
彼女の友達は帰ったのか、居るに居られなかったのか、姿が見えなかった。
「悪いところがあるなら直しますからっ」
っ……
“悪いところ直すからっ!”
「一緒に居てくださいっ」
っ……
“別れようなんて言わないでっ”
「…――お……莉緒っ!!」
「え……」
肩をグイッと掴まれてハッとした。
「どうした?ボーッとして」
「あっ……なんでもない……」
いけない、いけない。
あれは過去。
あたしのいらない過去……


