「私は……本気で南先輩が好きなんです」
そう言って握りしめる左手には、綺麗な指輪がはめられていた。
南先輩と同じ指輪だ……
「盗らないでよっ!!」
「っ……」
女の子の頬にはもう堪えきれない涙が伝っていた。
「先輩を返してよっ!!」
――パシンッ
「っ゙……」
乾いた音と共に、頬に鋭い痛みが走った。
「絶対許さないから」
この瞳を何人に向けられてきたんだろう―…
何人の人に、この瞳をさせたんだろう……
でもあたしは反抗しない。
しても意味がない。
この子の気が晴れるなら……
あたしは……
「何とか言ってよっ!!」
そう言ってまた振り上げられた手に、反射的に顔を伏せた―…その時。
「おいっ!やめろっ!!」
その声と共に手を止めた。
「……南先輩」
彼女の先輩を呼ぶ声に、そっと視界を上げると、彼女の腕を握った南先輩が立っていた。


