「い、行かないって……」
「つーか留学なんて、元々断ってたし。違うヤツが行くんじゃね?」
断ってた……?
違う人が行く……?
「な、何それっ!!だって先生に行くって言ってたじゃんっ!!」
だからあたしっ……
「行くは行くけど、高校を卒業したらだよ。」
あっ……やっぱり行くんだ。
その事実に、少しショックを受けた。
「だから卒業までに莉緒は英語を勉強しとけよ。」
「ちょ、ちょっと、頭が混乱して……」
本当に皐は行かないの……?
留学しないの……?
「莉緒が“留学頑張ってきて”とか可愛げないこと言ったから、ちょっとした意地悪だよ。」
「っ……」
「いつ素直になるかと思ってたが、こんなに意地っ張りだったとはな……」
な、なによ……
それっ……
「皐のバカっ!!」
おもいっきり肩を叩いた。
「痛っ!何すんだよっ!!」
「あたしが、あたしが……どんな思いで……ウゥ―…」
「……莉緒」
どんな思いで苦しんだと思うのよっ………
「もう皐なんて知らないっ!!」
「おいっ!莉緒っ!!」
ベンチから立ち上がり、勢いよく走り出した。
「ちょっ!莉緒!待てって!!」
でもあたしが皐に敵うわけなく、すぐに腕を掴まれた。
「良い気味だった!?あたしが苦しんでるのを見て!?」
「違っ…「違わないでしょっ!!騙すなんてっ……」
「ちげぇ―よっ!!」
――ビクッ
叫ぶような大声をあげた皐に、体が震えた。


