「……何か?」
「何かじゃないですよっ!南先輩盗っておいてよくそんな顔出来ますねっ!!」
……やっぱり。
あたしの前に立ち憚る2人の後ろに、うつ向いて立っている女の子。
きっとあの子が、南先輩の彼女だったんだろう……
上履きは青だから、1年か……
長い黒髪の小柄な女の子。
「別に、あたし盗ったつもりないし。何より南先輩が勝手に別れて、あたしがいいって言い出したんだからね」
弁解も何もしない。
きっとこの子たちが……その子が望んでいるのはそんなことじゃないから……
「せ、先輩は……」
今まで黙って友達の後ろに隠れていた女の子が、口を開いた。
「先輩は……南先輩のこと好きなんですか?」
――ズキッ
顔を上げた女の子の瞳には、たくさんの涙が溜まっていた。


