「莉緒は、どうなんだ?」


「え?」


「俺に行ってほしい?」



「っ……」



少し揺らいだ瞳。



「あ、あたしは……皐が行きたいなら、応援するよ。」


ふぅ―ん。



そっか……




「分かった。莉緒が理解のある彼女で良かったよ。」



そう言って莉緒に微笑んだ。




「頑張ってきてね、留学……」


「あぁ……」



理解のある彼女か……



きっと周りの奴らなら、最高な彼女だと言うのだろう……




だけど……



俺は莉緒のそんなところが……




――愛しくて、嫌いだ。