「ね、ねぇ、ナガレくん……」


「ん?何?」


「あの、皐に何か用事があったんじゃ……」



だから追いかけて来たんじゃないの?



「あぁ!そうだった!!忘れてたっ!!」


忘れてたって……



「黒木がお前のこと呼んでたぞ。放課後来いって」


「はぁ―…マジで……」


黒木って、うちの担任?



担任がわざわざ皐に何の用事……?



そんなあたしの視線に気づいたのか……



「あぁ、多分今度の英語のディベートについてだと思う」



そう言った皐。



英語のディベートとは、この市内の高校から各1人ずつ選ばれ、英語でディベートするというものだ。



相当英語が上手くないと、無理だって聞いたことがある。



「莉緒、ちょっと待っててくれるか?黒木のところに行って来たいんだけど……」


「あっ、うん。」


用事があるのに、送ってくれようとする皐。



「大丈夫、大丈夫。俺に任せて♪」



そう言われながら、肩を抱かれた。