〜*皐Side*〜
『あたしの過去のこと……』
昨日デパートで、武司というヤツを見た瞬間、莉緒と何かあったのは丸分かりだった。
莉緒の悲しそうな瞳……
この瞳には見覚えがあった……
俺と莉緒が初めて出会った時の瞳、そのものだった……
「あたしと武司さんはあたしが中学生の時に出会ったの……。家庭教師と生徒として……」
ゆっくり話す莉緒の話しを、黙って聞いていた。
「優しくて頼りになる先生を、あたしはすぐに好きになった。」
莉緒の恋……
「先生もあたしを好きだって言ってくれて、あたしはさらに先生に溺れた。言葉通り、体も心も……」
「………」
「でもね、先生には婚約中の彼女がいたの……。つまりあたしは先生の浮気相手。2番目の彼女だった。」
落ち着いて話しているようだけど、微かに手が震えている……


