「あたし、あの時は本当に死にたいくらいショックだった。」
『悪いところ直すからっ!』
『別れようなんて言わないでっ』
ワガママばかりを言ってしまった。
「………」
「もう、誰も信じられなくなって、誰も好きにならない。って思ってたの……でも……」
でも違った……
「好きになったんだね。昨日の彼のことを……」
「うん……」
皐を好きになって……
もう一度“恋”を“愛”を、信じてみたくなったんだ……
いくら辛くても……
「だからね、あたし武司さんに……先生にお別れを言いに来たの。」
じゃないと、あたしは前に進めない気がするから……
「嘘でもあたしを愛してくれてありがと。あたしのそばにいてくれて、ありがとう。あたしはもう、大丈夫だから」
「莉緒……」
「奥さんと、仲良くね。」
やっと言えた言葉。
ここまで何年もの月日を重ねてしまった。
「あぁ、ありがとう。莉緒」
優しくニッコリ笑った先生は、紛れもなくあたしが大好きだった先生だった……


