「皐……」
「ん……?」
「好きだよ……」
「……ふっ、知ってる。」
優しく抱きしめ返され、どちらともなく唇を重ねた。
「じゃあ、また明日な。」
「うん……」
離れる体温が名残惜しい……
皐の離れていく背中を、ただジッと見つめていた……
――ガチャッ
「ただいま―…」
「おかえり、莉緒」
リビングに行くと、笑顔で出迎えてくれるお父さん。
最近は早く帰ってくる時も増えて、話すことも増えた。
「お友達と買い物でもしてきたのか?」
あたしが手に持っている袋を見て、そう言った。
「うん。帰り道にちょっとね……」
お父さんには皐のことをまだ話していない。
わざとじゃなくて、ただなんか恥ずかしくて……
あ、あれ……?
そういえば、この買い物のお金って皐が払ってくれたの!?
さっきまで放心状態だったあたしには、お金を払った記憶がない。


