「え、えっと…「以前、莉緒ちゃんの家庭教師をしてたものです。」
動揺してるあたしの変わりに、武司さんが答えた。
「あぁ、家庭教師か……」
普通にそう言った皐にホッとした。
バレてない……
そう思うと、思わず安堵の息が出る。
「莉緒ちゃん、そちらは彼氏……かな?」
っ……
「はい。そうです。」
そう答えたのは、あたしじゃなくて、皐だった。
皐がそうはっきり言ったことが意外で、皐を見つめた。
「そっか……よかった。」
よかった……?
何が『よかった』なのよ……
喉にまで出かかっている言葉を必死に飲み込み、ただ黙っていた。
「おいっ!兄貴っ!!」
後ろから武司さんに走り寄ってくる男の人。
「チョロチョロ動き……え?莉緒!?」
「廉二……」


