「はあ!?何言ってんの?婚約なんて1ヶ月前に無効になったから。」
「……は?」
婚約は無効……
しかも1ヶ月前に!?
「でも両家の説得に時間がかかって、やっと明日にでも迎えにいこうとでも思ってたんだよ。」
「えっ?迎え?」
誰を……?
「はぁ―…、やっぱり莉緒ってバカだ。」
「なっ!」
頭をクシャッとした皐の左手には、もう何も無かった……
「お前に決まってんだろ!」
……え
「愛華にもちゃんと伝えたんだ。そばに居たいヤツがいるって……」
「っ……じゃあなんで、別れようなんて―…」
「あれは、お前を俺で縛っとくのはいけないって思ったんだよ。」
「っ―…だったら言ってよ―っ。あたしがどれだけ泣いたか―…」
苦しくて、苦しくて……
息も出来ないくらい、哀しくて……
「ごめん……ツラい思いさせて……」
ギュ―と抱きしめられ、耳元で囁かれた言葉。


