「ここじゃ何だから……。場所移動してもいいかな?」
「あっ、うん……」
促されるまま、ついていった校舎裏。
誰もいなくて、少し怖い雰囲気。
「率直に言わせてもらうね。あなた、皐の浮気相手だよね?」
――ドクッ
落ち着きのある愛華さんの声に、冷や汗が出る。
「な、なんで……」
「なんでバレたか?皐に聞いたのよ。あなたが浮気相手だって」
そっ……か。
そうだよね……
バレたことのショックより、皐があたしを『浮気相手』として認めたことがショックだった
当たり前なのに……
わかってたことなのに……
あたしが2番目の彼女ってことくらい……
「今日の夕方にね、正式に婚約者として両家の挨拶があるの。」
「っ……」
「皐ね、あたしに好きだって言ってくれたのよ?」
『好き』
あたしにはくれなかった言葉……
「っ!だから!あたしたちの邪魔はしないでっ!!」
初めて愛華さんが声を挙げた瞬間だった。


