耳に手を当てて首を振った。
「莉緒っ、聞いて。莉緒っ!!」
耳を押さえている腕を握って、無理やり自分に視線を向けさせる。
「頼む……聞いてくれ。」
あぁ、この瞳はイヤだ……
悲しい、寂しい、この瞳をさせたくない……
「わ、かった……」
皐の瞳が少しでも晴れるなら、あたしは何だって聞く。
「彼女の名前は高岡愛華[たかおかあいか]。俺らと同じ高2だ。」
高岡……愛華?
それって……あの……
「知ってるかも知れないが……愛華の家は代々続いてる政治家家系だ」
知ってるに決まってる。
皐と同じくらいこの学園では有名だった。
見たことは無いけど、儚く可憐な女性だと……


