家に向かうまでのタクシーでは、少し胸がドキドキした。
――ガチャッ
鍵のかかっているドア。
当たり前…か……
ちょっとだけ期待している自分が居て、ため息をつきながら真っ暗なリビングの電気をつけた。
今は夜の10時。
あたしの誕生日が終わるまで後2時間。
皐は一緒に居てくれるって言ったけど、断った。
少しだけ期待してたんだ……
誕生日を思い出したお父さんが、待ってくれてるんじゃないかって……
まぁ、結果は見ての通りだけど……
「はぁ―…お風呂入って寝よう……」
泣きたくなる衝動を抑えて、リビングを出ようとドアに手をかけた。
――ガチャッ、バタバタ
えっ!?
「莉緒っ!!」
バンッと勢いよく開いたドアの音が、リビングに響いた。
それと同時に目に入った、お父さんと……大きなテディベア。
「な……んで」
「すまなかった!!」
頭を下げ、そう言ったお父さんに正直驚いた。
まるで取引先にでも頭を下げるかのような勢い。


