「とにかくここは寒いから、移動しよう。」
最初はカフェにしようかと思ったが、もし学校の人に見られたら大変だ。
皐に彼女がいることは学校でも知られていないけど、もしあたしと噂になったらバレかねない。
迷った末に、2人っきりになれるホテルに入った。
ただ、ラブホテルじゃなくて高級ホテル。
そんなホテルに簡単に入っちゃう皐は、本当にお金持ちなんだと実感してしまった。
「今コーヒーいれるから、そこのソファーにでも座っときなよ」
「う、うん……」
綺麗で豪華な部屋。
さっきのエレベーターで最上階を押したということは、ここは間違いなくスイートルームだろう。
「はい、コーヒー。」
「あ、ありがとう」
温かい部屋と美味しいコーヒーに、体が少し温まった。
「それで、何があったの?父親と食事なんじゃなかった?」
――ドキッ
「誕生日……なの。今日、あたし……」
「知ってるに決まってんだろ?だから父親が……もしかして」
頭がいい皐。
きっと気づいたよね。


