数十分してついたレストラン。
雑誌でも取り上げられるくらいの、有名レストランだった。
この前見た雑誌では、予約を入れるのが大変だと書いてあったから、きっとずっと前に予約を入れていたんだろう。
ほころぶ顔を必死に取り繕って、お父さんの後をついていった。
「予約していた汐田だが……」
お父さんがスーツ姿のボーイさんにそう告げると。
「汐田様ですね。お待ちしておりました。」
そう優しく微笑んで、席に案内してくれた。
窓側の街が一望出来る席。
「うわぁ―…凄い―…」
「気に入ったか?」
「うんっ。」
お父さんに促され、椅子に座った。
そこで気づいたこと……
あれ?なんでもう一つ椅子があるの……?
「実はな莉緒、今日ここに呼んだのは…「雄一郎[ゆういちろう]さん、遅れてごめんなさい」
……え。
父の名前を呼びながら、少し髪を乱して、急いで駆け寄ってくる女の人……
頬を赤く染めて、目元に少しクシャッとしたシワが見えた。
いくら何でも、気づいた……


