「何か用事あった?」
「あのね、なんかお父さんがその日は空けておけって。」
「あっ、誕生日、祝ってくれるのか?」
「うん。たぶん……」
「嬉しそうだな―…」
ははっと笑いながら、頭を撫でてくる。
「嬉しくないっ!!」
「意地っ張りだな―…」
「意地っ張りじゃないしっ!!」
「ははっ、まぁ楽しんでこいよ。デートはまた今度な。」
「うん……」
デートをまたしてくれるって分かって、嬉しかった。
「皐、好きっ」
「はいはい。」
「皐は……?」
「……聞くな、バカ」
そんな冷たく返されても幸せだと感じた。
それから唇を一回だけ重ねて、図書室を後にした。
あぁ―…幸せだったのに、一気に気分が落ちた。
「おっ、莉緒」
こいつのせいで。


