「あたしのこと知っても、意味ないよ。」
「意味があるか無いかは、俺が決める。」
お、俺様……
「にしてもやっぱり冬の海って、寒いな―…」
「うん、そうだね。」
手を口元に持ってきてはぁ―…と息をかけた。
まだ白い息は出ないが、海ってこともあり、寒い。
「皐、そろそろ移動し…きゃぁっ!!」
ザバーンと勢いよくかかってきた波。
「もぉ―!濡れた―」
座ったままだったから、おもいっきり水を被ってしまった。
服も髪も、びっしょり……
「もぉ―…最悪。さつ……え?」
隣にいる皐もびっしょり。
当たり前か……
同じところに座ってたわけだしね。
「最悪……めっちゃ寒いし。」
ボソッと呟くような声が、耳に届いた。
これはもしや……怒っていらっしゃる?


