「前にさ、皐があたしのことうらやましいって言ったじゃない?」
「あ、あぁ。」
「全然うらやましいわけじゃないんだよ。」
『うらやましい』なんて、言われるモノじゃない。
「お母さんはあたしが幼い頃にあたしを捨てて出ていったの。あたしにたった一言『生むんじゃなかった』って言ってね。」
ははっと可笑しくもないのに、笑ってしまっていた。
皐は何も言わずに、海を見ていた。
「元々子供嫌いだったんだよね。だったら生むなって感じなんだけど。」
「………」
「あたしのせいで、お母さんは出ていったの。だから、お母さんを大好きだったお父さんは、あたしを嫌いなんだよ。」
それを証拠に、あたしに会おうとしない……
目さえ、合わせようとしない……
「あぁ―あ。話しちゃった。誰にも話したことないのに」
皐には何でか話してしまう。
「もっと話せよ。莉緒のこと。」
「え……」
「莉緒のこと、もっと知りたい」
っ……////


