―――――――――……



「莉緒っ。」


「………」


「莉〜緒?」



「えっ……?」



「えっ?じゃないわよ。さっきから呼んでるのに。」



詩織が少しだけ不機嫌そうに、あたしを見ていた。



「ごめん、ごめん。ちょっとボーッとしてて。」



思い出に浸ってしまっていた。


「最近ボーとしてること多くない?」



「……そうかな?」



「テストの結果も今日全部返ってきたんだし、元気だしなよ。」



「……うん。」



さっき6時間目の授業で、全てのテストが帰ってきた。


「ねぇ、今日は放課後…「ごめん。あたし行くとこあるから」



「もぉ―っ!最近の莉緒は付き合い悪いぞっ!!」



「ごめんって―。今度何か奢るからさ」


「もぉ―っ。仕方ないなぁ―…」



詩織にもう一度だけ謝り、教室を出た。



向かう先は決まっている。