『避けたい運命』

「やばいよ恋美…私声が枯れてるんだけど」

「クールビューティーだからあんま喋んなきゃ大丈夫でしょ」

昨日のぶっ通しカラオケのせいで枯れた私の声。朝のHR中に
こそっと恋美につぶやいた

気づいたらHRは終わり
1時間目は適当に歩き回りOKの
自己紹介タイムとなった

ドラマのようにクールビューティーに相応しく?
奇跡的に窓際の1番後ろの席になった私は座ったまま外を眺めていた。

「二宮…だったよね?」

「うん。葉山くんでしょ?」

「そ!これからよろしく」

「こちらこそよろしくね」

私は少し微笑み
葉山くんにアピールをした

すると隣の席の恋美が
にやけながら私をみてきた

「あっ二宮」

「ん?」

再び葉山くんに話しかけられた

「男子よろしく」

「え?」

「数少ない男子に話しかけてないの二宮と内田と立花だけだから。男子期待してたけど、お前等はやっぱ自分から媚び売ったりしないよな」

「葉山くん優しいんだね。仲間思いで」

「男子少ないからすぐ仲良くなった。それに二宮とは多分席隣とか近くが多いだろうし」

「そうだね。よろしく」

葉山くんの言葉に少しキュンとした私は頑張って冷静を保った

「内田もよろしくな」

「うん!よろしくね」

葉山くんの笑顔は素敵だった
那琉の可愛い笑顔と
違った素敵さだった

私は冷静さを保ったまま
その笑顔から目が離せなかった