それでもミラーゼは恋をする



ミ~ンミンミンミンミン


人がふと考えるのは、ほんとに一瞬のこと。


「杏(あん)はさ、好きな人とかいるの?」

「・・・はい??」


ミ~ンミンッ・・・


さっきまでの熱気の入った鳴き声が、春香(はるか)の答えづらい質問を同時に途絶える。
そこで止まるか?セミ君達。

尋常じゃないこの真夏日の今日は、友達の春香と一緒に学校でお勉強ちゅう。
まぁ、この時間は先生いないから、机を向かい合わせて、ほぼおしゃべり。

高2の夏の課外と言っても、強制じゃないから、来てるのはほんの少しだけ。

あ・・・ほら、寝てる人だって、そことそこに居るよ・・・

「き・い・て・る!?好きな人とかはいないの!?」

「ん~そこまで想う人はいないな~」

ミーーーーーーーンミンミンミン

またもや始まるか!セミ達よ!!

「んも―!絶対モテルのになぁ~杏・・・って何、外に向かってガンつけてるの?」

「くぅ~!!・・・・なんか言った?」

「なんでもないよ・・・」