それでもミラーゼは恋をする


「待てー!!」

商店街に響く、高い声。ソプラノの音。俺が最も嫌っている分類の音が耳へと入った。

いつも聞く、あの、うざったい甘い声ではなく、叫んでいる様子。
一瞬顔を上げようとしたが、かばんに入っていた携帯が鳴り出したので顔をあげられない状態になった。

携帯に表示されたのは一件のメール。
徐々に近づく足音には気付かない。
それでも違和感を感じた。

いつも何かしら人の声がする商店街なのに、今日は何も聞こえない。

それには流石に顔を上げる。

「静かだな..ぇ..」

顔を上げた瞬間、視界を覆ったのは、

何やら女性用のバックを持ったオッサンのオデコだった。


-『悲劇は起こった。』-