その日は15年間生きてきた中で、一番「最悪な日」になった。




今日は合格発表日。

私、多城麻子(たしろまこ)は第一志望校の共英(きょうえい)高校へ向かっていた。


少し早歩きで、胸を高鳴らせ、

まるで入学式に行くかのように。


なぜなら、私には自信があった。

絶対に合格する自信が。


私は平凡なメガネ女子。
地元の平凡な中学に通い、
成績は平凡。
家庭も平凡で父母兄と4人暮らし。
飼っている犬は平凡な雑種(ちなみに名前はポン太)。

特に目立つ事も無く、平凡な生活を送ってきた私は、もちろん平凡な共英高校を受験する事に決めた。

そんな平凡高校に平凡な私は受かって当然なのだ。