「圭、今日はここまで
 でいーよ、サンキュッ」




ぺしんっと
前の背中を叩き
チャリから飛び降りる




「え、家まで送るよ?」



「ううん、今日家帰らず
 そのまま駅から電車で
 ばあちゃん家行くんだ」



「ばあちゃん?
 どうかしたの?」




チャリのサドルに
またがったまま
こっちを見て心配そうな
顔をする圭に首を振る





「ただの顔出しにいく
 だけだしねっ、」



そっか、じゃあ気をつけて
相変わらずのくしゃっと
した笑顔であたしを見る


その笑顔に何度
あたしの心臓を鷲掴み
にされたことか、