「大好き」



小さな声で『大好き』と言ったユウリ



それに俺は手を挙げてこたえる


チームメイトに茶化されながらグローブをつけた


「っしゃー!
夢の舞台だ
俺らの野球やってやろうじゃねぇか!」

「「おう!」」






まだ
俺らは、はじまったばかり
夢も希望もすべてを抱えボールを勢いよく投げる


それと同時に吹奏楽部の演奏が流れ出した


愛おしい人が奏でる音楽の中
大切なチームメイトとグラウンドを駆け抜ける



夢の舞台で
俺は夏を終える。





―End―