そう思ってると、美香が

「ごめんね~こんなとこ見せちゃって…。
でも、美香は悪くないの!!
この女が、美香の事悪く言ってきたから…つい、ムキになっちゃって…」
と、下を向きながら涙声で十雅に話した。





はぁ!?


そんなこと一言も言ってないじゃない!!
心の中で言ってただけで口には出してないわよ!!




こ、この女…ほんと、ありえない。




うちは美香をまた睨んだが、
美香の眼中にうちは入ってなかった。




美香の眼中にいるのはただ一人


花月十雅だけ―――




しかし、十雅は美香に優しく話しかけることもなく、ただ冷たい目で見下ろしていた。






しばらくしてから




『……萎えた。じゃあな』



そう言って、美香を置いて店を出て行った。