でも、そいつとの付き合いは そんなに長くはなかった。 親の事情で遠いところに引っ越さなければならなくなった。 遠いとこに引っ越す―― そう聞いた時、俺は特に何も思わなかった。 いや、思ってた。アイツの顔が頭に浮かんだ。 アイツの泣く顔が… なぜか胸が痛んだ。 だから、俺はアイツに何も話さなかった。