十雅なんてココにいない そう思うと目の前が霞んできた。 「怖いよぉ…ッ」 本日2回目 私は泣いてしまった。 泣いたってどうにもならない。 そう分かっていても涙は止まらない。 それどころか溢れてくるばかり 心に思い浮かぶのはただ一人――― 「十雅ッ」 気づけば、私は十雅の名前を呼んでいた。 『女たらし』とか『彼女がいる』って知ってても、やっぱり好き 好きなの… 私はまた「十雅…」と言って その場に座り込んでしまった。