ROSE~AI (ノンフィクション

「私はアンタみたいな子が一番嫌い。汚いふりして心は綺麗なの。」



「・・は?」

アタシが綺麗?

思わず顔をしかめる。



「私さ、白井の事凄い好きなの。愛してる。」


「そんなに熱上げるほどいい男だと思わない。」


きっぱりと言い切ったアタシを、嘲笑うかの様に声をあげた。


「アンタさ!本気で誰かを愛した事なんかないんでしょ?自分が一番可愛いんだ!」


「・・・・・・。」

唇をかみ締めた。

口の中に広がる鉄の匂い。



「アンタには一生わからない!どれだけ劣位を感じて、私が・・・私が・・・」



大きな目には涙がいっぱい溜まってる。


一生わかんないのはこっちの方だ。



「友達だと思ってたのはアタシだけ?」



そう言ったアタシに、由美は何か呟いた。


「・・・・。」


あまりにも小さな声。

聴覚を半分なくしたアタシには、何も聞こえなかった








ウ~ッ~


ウゥ~ッッ





サイレンの音が近くなってくる。



誰も逃げる気配がない。



「逃げないの?」

そう言ったアタシに、由美が呟いた。


「逃げる必要がないだけ。」


「・・・・・・。」