ROSE~AI (ノンフィクション

ほんの数分たってすぐに、もう何度目か知らないあくびをグッとかみ締める。


正直見てるだけなのは飽きる。



「・・・・。」



キョロキョロと辺りを見渡した視線の先
ふと、何も描かれていない真っ白なキャンパスを見つけた。



丁度通り過ぎようとする教師の服の裾を、思わず掴んでしまった。


「あれ・・・使っていいの?」


「・・・・。」


一瞬、驚いた様に目を丸くすると、フッと優しく笑った。


「いいわよ。昔の部員が置いていったものだから。」


「へー」

キャンパスって結構すんのにな。


「絵の具は?油絵かけるの?」


アタシの顔を覗き込む様に言うと、首を傾げる。


「借りれるの?」


「いいわよっ」


ふわっと笑うとすぐに私の机に、油絵の道具一式が用意された。




画材自体、触るのは何年ぶりだろうか。



あんなに気持の悪かった油の匂いも、
退屈な今は、たいして気にもならない様だ。