言われた通り、ポケットから手を戻して、歩き出した那智の後ろに続く
公園のベンチに並んで腰を下ろした時
那智が笑った。
「俺らっていつも公園じゃね?」
「言われてみたら・・」
アタシもそう答えて少し笑った。
「ピアス・・ありがとね。嬉しかった。」
「・・・・・・」
小さくそう言った那智を振り向くと、ポケットからそっと・・・
クリスマスの日、アタシが那智に渡した、ピアスを取り出した。
「勿体なくてつけらんなかった。」
苦笑いを浮かべて、それを指先で掴むとアタシを見る。
「耳かして?」
「・・・耳?」
首を傾げたアタシに手をのばして、耳元の髪をかき上げた。
「・・・・・」
那智の指先が、微かに触れるだけで胸が高鳴る。
元々つけてたピアスを一つ、アタシの耳からそっと外して
「つけてて・・・?」
代わりにアタシが贈った、ピアスを耳に飾った。
「・・・・・・」
アタシが不安げに那智を見上げると、
「つけてるよ?」
首元からチェーンを引っ張り出して、親指に絡めて見せた。
チェーンの先にはアタシが貰ったピンキーリング
「・・・・・」
それに視線を落としてから、那智に視線をうつす
「もう少し大人になったら・・・俺達一からやり直せるかな?」
「・・・・・」
一から・・?


