「・・・・・・」
ドキンッ
胸が大きく音を立てる。
この音が聞こえてるんじゃないかと、アタシは伺う様に那智を見つめた。
「でも・・・その前に」
「・・・・・?」
え?
アタシの両肩をグッと掴んで、真顔で呟く。
「・・・・眠い。」
「・・・・・・」
へっ?
開いた口が塞がらない。
「だって今夜はオールで年越しでしょ?」
「・・・・・」
「このままじゃ除夜の鐘聞く前に寝ちゃうよ」
「・・・・・」
「ねっ?」
「・・・・・・」
意味がわからない。
「だからちょっとお昼寝タイム。」
「・・・・・」
呆気にとられているアタシをよそに、那智はゴロンとベットに横たわった
見下ろすアタシに屈託もなく微笑む。
「一緒寝よ?」
「・・・・・・」
この人はうちに何をしに来たのか・・・
しかもお昼寝する時間帯ではない。
「ほらっ。」
固まったままのアタシの腕を掴んで、強く引く。
「ちょっ・・・」
バランスを崩したアタシの体は、簡単に那智の腕の中に納められた。


