「おっす!!」
「・・・・・・」
いつもの公園。
いつものメンツ。
いつも通りに片手をあげた雅。
「何それ・・・」
いつもと違う黒髪・・・
金髪の時とは打って変わって真面目君に見える。
アタシは思わず怪訝な表情を浮かべた。
「何かねぇ、仕事すんだってさぁ~」
美咲がアタシを見上げて、半信半疑な顔付きをして見せる。
「は?まじで?」
美咲の横、ベンチに腰を下ろして雅を覗き込む。
「まじまじ。テレアポなんだけどね?年明けからっ」
「・・・・・」
常にぷー太郎だった雅がっ・・・
信じられない・・・
「まーもって3日だな」
祐樹がボソッと言った。
まぁ、アタシも正直そう思う。
「あんねぇー?俺だけ出遅れんのは嫌なのっ!」
雅が大袈裟にジタンダ踏んだ。
「・・・・・?」
はっ?
皆してキョトンとしてしまった。
雅は一人一人指差して
少しムキになって話し出す。
「勇チャンと美咲はどーせ卒業したら大学でしょ?」
「「うん。」」
「祐樹と那智はもー仕事長いし置いといて。」
「・・・おい。」
祐樹が不満げな声を出したが気にもとめずに話し続ける。
「愛美もバイト始めたじゃん?」
「うん・・・」
まぁそうだけど・・
「竜はどうせ将来社長だし・・・高貴は留学だろ~」
「あぁ。」
頷いた高貴に視線を向ける。
へー留学・・・
「したら俺だけじゃん?だから仕事始めるのだ」
・・・・。
ん・・・・?
「留学っ!!!」
誇らしげに話し続ける雅を尻目に
アタシは思わず大声で叫ぶ。
留学って・・・?!
「あーお前バイトしてたからな。」
「・・・・・」
「うちらも昨日聞いたんだよ。」
「・・・・・」
祐樹と勇チャンを交互に眺めて、確認する様に高貴にまた視線をうつす。
苦笑いした高貴がピースサインをして言った。
「ニューヨーク。行ってきますっ♪」


